支援学級の情緒級と知的級は何が違うのかわからないという人は多いと思います。
同じ支援級で、やっていることも割と似てそうですよね。
- 情緒と知的の違いが知りたい
- 教室の様子はどんな感じなの?
上記のように悩む方に向けて、元支援級担任の立場から記事を書いていきたいと思います。
3分程度で簡単に読むことができますので、ぜひ見てみてください。
支援学級の情緒と知的の違い

情緒級と知的級の違いですが、一言で言うと「知的な発達の遅れがあるかどうか」です。
情緒級も知的級も障がいをもったお子さんが在籍していますが、学習内容は大きく異なっています。
情緒級については知的な発達の遅れがほとんどないので、教育内容についても同じ学年のものを学習することが多くあります。
知的級については、同じ学年の内容を学習することが難しいので下の学年の内容を学んだりしてレベルを合わせて調整したりしています。
私の経験では、知的級にはダウン症のお子さんがいて、情緒級にはADHDや自閉症のお子さんがいることが多かったです。
指導方法のちがい
情緒級では学年と同じ内容を学ぶので、基本的な学習については普通級と似ているケースも多いです。
とはいえ、情緒級では友達との関わり合いが苦手なお子さんが多くいます。
そのため、普通級であるような黒板を使って一斉に授業をしたり教員が子供に問いかけながら授業をするスタイルはあまり見られません。
1人ひとりがプリントなどの別の課題に取り組んでいて、教員や支援員の人がそれぞれ個別にみているケースが多いですね。
では、知的級だとどうでしょうか。
教員の体制にもよりますが、知的級だと友達と一緒に授業を受けることが多くあります。
紙芝居や読み聞かせをして、その後に教員が子どもに感想を聞いたりします。
また紙芝居と似ていますが、ソーシャルスキルトレーニングとしてイラストを全員に見せて考えさせたりすることもあります。
もちろん、情緒級と同じように1人ひとりが別々の課題に取り組む時間もあったりします。
ただ、知的な遅れがあるので情緒級よりも教員が寄り添っていたり補助用の教材をたくさん使っているケースがあります。
教室の様子

では、教室の様子についてはどのように異なっているのでしょうか。
学校やメンバーよって違うとは思いますが、大体は以下の傾向が見られるかと思います。
情緒級
情緒は教員の腕によって雰囲気がかなり違うかと思います。
力のある先生だとかなり落ち着いているでしょうし、ダメな先生だと荒れているでしょう。
自閉症の子に関しては普段のルーティーンがあります。なので、教員がしっかりと寄り添って自閉症の子に合わせることができればかなり落ち着いて1日を過ごせているはずです。
例えば、「朝登校→身じたく→クラスの子に会う→プリント学習」などのような同じ流れができている場合はかなり落ち着いています。
反対に担任の気分によって「今日はあれやって、明日はこれやって」というようにやる内容が変わっているようだと自閉症の子は混乱するでしょう。
また、ADHDの子に関してもさまざまな情報に過敏に反応してしまいがちです。
そのため、教師が穏やかな声かけやBOXを作って周囲を見えなくするなどの配慮ができている場合は落ち着いた学習ができていいることが多いです。
しかし、教師がずっと怒鳴り散らしているようなクラスではADHDの子が落ち着かないでしょう。
そういったクラスでは、友達とも頻繁にトラブルを起こしているのではないでしょうか。
また物が散らかっている教室だったりすると、情緒級の子はパニックになってしまいがちです。
教室が整理・整頓されているかも大事な要素だったりします。
知的級
知的級はコミュニケーションとして、しっかりと話ができることが多いので教師と子供が会話する場面が多くみられます。
そのため、情緒級と比べるとにぎやかなのが特徴だといえます。
言えば通じる分、教師が子どもを注意していることも多くありますし怒鳴っているケースもあります。
また、知的級では教室移動の時にかなり時間がかかる傾向があります。
情緒級だと自閉症の子などはパターンを覚えれば、素早く行動することができたりします。
「体育では、着替えが必要だな。国語では、あの準備が必要だな。」というようにパターン化して覚えられたりします。
その点、知的級でダウン症のお子さんなどは着替えやに時間がかかったり歩行がうまくできなかったりするケースがあります。
支援級だけで授業する場合は特に問題ないのですが、普通級との交流授業だったりすると授業に遅れると怒り出す先生もいます。
そのため、教室移動や授業準備などでかなりピリピリしているのは知的級の特徴だといえるでしょう。
まとめ
情緒と知的では、かなりの違いがあることがお分かりいただけたのではないでしょうか。
もちろん、クラスの状況や子供の性格などによって異なる部分もあるかもしれません。
教室の様子なども参考にしていただければ幸いです。