特別支援学校に行くのは左遷ではない【元教員が解説】

教員

こんにちは。まつむしです。

今日は、「特別支援学校に行くのが左遷か?」ということについて書きたいと思います。



特別支援学校に配属になると、

「自分は左遷されてしまったのか?」

とか

「通常級の学校では勤まらなかったのか?」

などと考えてしまいがちですよね・・・。



でも、実際は左遷ではありませんよ!

理由について解説していきたいと思います!

特別支援学校に行くのは左遷ではない

woman in black coat holding red and white tote bag

結論から言うと、特別支援学校に配属することは左遷ではありません。

左遷という意味を調べてみると、以下のようにのっていました!

低い地位・官職におとすこと。左降。「閑職に左遷される」

goo辞書



特別支援学校が左遷となると、「特別支援学校=通常級よりも低い地位」ということになりますよね。

実際に特別支援学校は通常級よりも低い地位なのでしょうか?

両方の学校でやってみて

私は、「特別支援学校」と「通常級の学校」の両方で働いた経験があります。

実際に勤務してみると、特別支援学校で働くことが「左遷」ではないことに気付きます。



というのも、特別支援学校はかなり高い専門性が必要になるからです。

障害をもつ子は、1人1人障害の特性が違います。

配慮事項も違います。



特別支援教育には「個別の指導計画」というものが存在しています。

これは、特別支援学校の生徒の指導目標について書かれたものです。



目標を設定をしていく上では「障害児のこと」について専門的な知識が必要になってきます。

実は、「特別支援学校」の先生ってめちゃ大変なのです。

「命」に関わることばかり

通常級の子たちは、ある程度自己管理ができます。

何かあれば、自分で言葉にすることができます。

友だちに助けを求めることもできるでしょう。



でも、特別支援学校の子の中には自分で表現できない子もいます。

つまり、教員が常に見張っていなければいけないのです。

この緊張感ってスゴイですよ。



僕は以前、特別支援学校へ教育実習へ行った時、遠足の付き添いをしました。

その子は、車イスにのっていて、話すことができない児童でした。



バスから降りた時、バスの後方にその子の洋服が引っかかってしまったことがあったんですけど、教員がみんな気付かなかったんですよね。

バスが発車しようとした時に、間一髪教員が気づいて引っかかりを取ることができました。



あのとき、バスに洋服が引っかかって引きずられていたと思うとゾッとします。



このように、少し気を抜くと「命」に関わることもあるというのが特別支援学校です。

責任もかなり大きいですから、特別支援学校の先生が左遷という感じではないですよ。

なぜ、特別支援学校は左遷だと思うのか

boy's writing on book

「特別支援学校に行くことは左遷」という人がいますが、なぜでしょう。

これは、教員が担当する人数が関係していると思っています。



特別支援学校の教員は担任1人につき大体1〜3名くらいを見るのが普通だと思います。

それに対して、通常級の担任は1人で25〜40名くらいを見ることができます。



担任する人数が全然違いますよね。

「通常級はたくさんの子を見るけど、特別支援学校は見ている子が少ない。だから、特別支援学校の方がラクで、通常級から左遷された人が行くのではないか?」

と思っているんじゃないですかね。

通常級は意外とラク

実は通常級って意外とラクです。

こんなこというと怒られそうですが・・・笑



通常級は25〜40人を1人の人が見ることになります。

いかにも大変そうですよね?



でも、子どもたち同士で助け合うことができます。

通常級ではクラスの中にだいたい1〜3人くらい言うことを聞かない子どもがいるんですけど。

その子以外は、だいたいいい子なんですよね。



いい子たちが、言うことを聞かない子に対して

「ちゃんとやって!」とか

「今は○○する時間でしょ!」

などと注意をしてくれます。



だから、意外と教員は何もせずに済んでしまったりします。

そこまで、気を張らなくても大丈夫だったりしますよ。



何度も言いますが、通常級はそこまで、大変ではないです。

子供たち同士でやってくれますから。

自分たちで勉強してくれますから。



通常級で大変なのは、事務処理ですね。

25〜40人分の書類をたくさん作らなければいけないので大変です。

特別支援学校も、書類作りは大変ですがやっぱり通常級の方が書類作りに時間がかかります。

特別支援学校に行きたい教員も?

「左遷」というと低い地位であって、行きたくないというイメージがあるかもしれません。

でも、実は特別支援学校に行きたい先生もいるんですよね。



特別支援学校も大変ではありますが、ゆったりとした優しい雰囲気があるのも事実です。

通常学校の倍率は今すごく下がっていますよね。

心の病になる先生もいます。



今後、通常学校は人気がなくなってくるかもしれません。

倍率が下がるということは質の低い教員が集まってきますよね。

そうすると「通常級に行くことが左遷」となる時代になるかもしれません。



いずれにせよ、特別支援学校に行くことが左遷ということはありえない話ですね。

実際に働いてみた経験者からの意見です。

まとめ

いかがだったでしょうか?

「通常級の方が上で、特別支援学校に行くのは左遷」というイメージはまだ根強くあるかもしれません。



でも、通常級のある公立学校では教員同士の「イジメ・パワハラ」などが大きく問題になっていますよね。

今後、不人気になってくるかもしれません。



特別支援学校配属になった人は、全然左遷ではないので安心してくださいね☺️

むしろ、専門性の高い分野で働いていてスゴイことですよ!



では、また〜