不登校の原因は何なのか?【元教員の立場から分析】

不登校 アイキャッチ 保護者

こんにちは。

今回は、不登校をテーマに書いていこうと思います。


平成30年度の文部科学省の調査を見ても、「過去5年間で不登校の割合が増えている」と出ています。

今、お子さんが不登校になることはけっして珍しいことではありません。


また言い方は悪いですが、学校の状況もあまりよくないので今後も不登校は増えていくと予想しています。

何が原因で不登校になってしまうのでしょうか?

元教員の立場から考えてみました。

人間関係が原因

人間関係 原因
Free-PhotosによるPixabayからの画像

多くの場合、不登校の原因は「人間関係」です。

学校で友達とうまくいかない。いじめにあっている。

教員からイヤなことを言われる。いつも怒られてしまう。とかですね。


今まで不登校になった子を見ても人間関係がほとんどでした。(全部かもしれない・・・)


よく、発達障害が原因で不登校になるのでは?という意見も聞きます。

しかし、発達障害が直接不登校の原因になることはほぼありませんでした。

発達障害の疑いがありつつも学校側の対応がよく、楽しそうに通っている子供はいます。

こういった子は、だいたい先生や友達との関係がよかったりするのです。(人間関係)

親ができること

子どもが不登校になったら、親としてはかなり苦しく感じるでしょう。

時には、学校に対してキツく当たってしまうこともあるかもしれません。


しかし、学校に対してキツく言うのはあまり良い結果を生まないことが多いです。

たしかに、不登校を生む原因が担任や学校であることはよくあります。


とはいえ、学校を敵対視してしまうと関係がうまくいかなくなってしまいます。

特に職員室は子どもの情報が筒抜けなので、お子さんが学校に行った時にいろんな先生から嫌なことを言われるかもしれません。


どうしても耐えられないことがあるのなら、学校に伝えるのは良いでしょう。

しかし、その際も伝え方には十分に配慮したほうがいいです。

お子さんのために、学校に行きにくくならないような伝え方をするよう注意しましょう。

担任と学校が原因の場合もある

不登校の子の原因は担任や学校が原因の場合も多くあります。

特に、学校の楽しさは学校ごとに大きく異なっています。


たとえば担任で言えば、子ども同士でトラブルが起こった時に毎回ちゃんと話を聞いて解決してくれる先生がいます。

反対に、トラブルが起こっても放置をする先生もいます。

後者のクラスにいれば、当然不登校になりやすくなることが考えられます。


また、学校によってはちょっと学習が遅いだけですぐに支援級に移籍させるような学校もあります。

そんな学校では、子どもは安心して過ごせないですよね。

弱い部分を見せられなくなってしまいます。


教員をやってみて、担任の影響はすごく大きいと感じています。

前の年まで優しかった子でも、モンスターティーチャーが担任になった瞬間にいきなりいじわるになってしまうことがあります。

しかし、また担任が変わると優しい子に戻ったりします。


クラスの子は、担任の性格に大きく影響を受けるんですよね。

不登校の子があまりにも多い場合、教員の雰囲気づくりがイマイチだったりします。

個人的に、「ほかのクラスにいたらなじめていただろうな・・・。」と思う子も多かったです。

環境が変わるときがチャンス

環境 変わる
David MarkによるPixabayからの画像

学年が変わったり、小学校→中学校に入学するタイミングで登校できるようになる子がいますよね。

環境が変わる時というのは、学校へ行く大きなチャンスだと思います。


先ほど書いたように、子どもは性格形成の途中であり学校や教員から大きな影響を受けます。

新しい環境で学校や担任との相性がよければ学校に行きやすくなるでしょう。


もちろん、嫌な思いをして不登校になったわけですから学校に行くのは勇気がいると思います。

しかし、保健室登校や授業1時間だけなど少しずつでいいので学校に行ってみるのはいいでしょう。

思ったよりも学校が楽しく感じられるかもしれません。

転校について

子どもが不登校だと、転校を考える親御さんもいるのではないでしょうか?

とはいえ、転校にはお金もかかります。

職場との兼ね合いや手続きなど大変なことも多いでしょう。


もちろん、ムリしてするべきではないです。

しかし、私は転校に大きな意味があると思っています。


というのも、学校によって雰囲気が大きく異なっているからです。

これは、私が複数の学校で勤務してみて1番驚いたことです。

先ほど書いたように、子どもが少しでも能力が低いと支援級に入れる学校があります。

でも、グレーゾーンの子も普通級で見て、場合によっては教務・教頭などが手伝ってフォローしている学校もあります。温かい学校も存在するのです。


学校によってさまざまなので一概には言えませんが、学校を変えることで行けるようになる可能性もあります。

この辺りは、お子さんと話しつつ決めていけるとよいかもしれませんね。

まとめ

いかがだったでしょうか。

お子さんが不登校になってしまうと、自分の子に問題があるのではないかと不安になりますよね。


とはいえ、子どもに原因があって不登校になったケースはほとんど見たことがありません。

私も、専科教員やTTとして多くのクラスを見てきました。

不登校になった子を見ていると

「他のクラスだったらなじめただろうな。この学校だったら合っていたかもしれない。」

と感じることも多いです。


何が原因かというのは一概には言えませんが、お子さんは悪くないのは確かです。

ぜひ、クラス替えや中学に入ったタイミングなどで1歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。