コロナ禍で35人学級が話題になっていますね。
密を避けるためにも、1学級を35人にすると良いというアイディアが出ています。
とはいえ、
- 35人学級の効果はどうなんだろう
- 人数が変わることでメリットはあるのだろうか?
と疑問に思っている方も多いと思います。
そこでこの記事では、35人学級の効果について実際に小学校で担任をした筆者がくわしく解説していきたいと思います。
2分程度でサクッと読むことができますので、目を通してみてください。
35人学級の効果はほとんどない

結論からいうと、35人学級の効果はほとんどないと思います。
以下にくわしく解説してみました。
40人から35人になっても変わらない
まず、コロナ禍で密を避けるという観点からすると35人の教室と40人の教室はあまり変わりません。
机の間隔が5〜10cm程度変わる程度ではないかと思います。
また、教員の負担という面で見ても5人程度の違いであれば「事務処理・指導・保護者対応」などについての忙しさもほとんど変わりません。
正直、35人学級をやる意味はほとんどないといえるでしょう。
私が教員をしていた頃も、40人のクラスと35人程度のクラスでは担任の負担はほとんど変わっていないように思いました。
ただ、20人台になると結構負担が違ってきます。
私も28人のクラスを持ったことがありますが、結構負担が減りました。
人数を減らすなら、20人台まで減らす必要があると思います。
教室が増える
35人学級になれば、当然教室の数を増やす必要がありますよね。
そうなるとテレビ・エアコン・黒板・机・イスなどの準備が必要になります。
追加でお金がかかってしまいますね。
教育予算が足りないとも言われていますから、これらのお金は教員の給料を削って出さなければいけないことになるのです。
教員の不満がさらに溜まるので、指導の質が下がっていくことが増えるでしょう。
問題教員が増える
教室が増えるということは、それだけ先生の数も確保する必要があります。
すると、今まで採用試験で落ちていたような問題教員も合格させる必要がでてきます。
今でも、飲酒運転やわいせつ行為などで問題教員がでたりしていますよね。
今後、教員の合格ラインが下がればさらに増え続けることが考えられるでしょう。
また、私が教員をやっていた頃も子供や保護者から人気な先生は割と早く辞めていたように思います。
また、まじめな先生ほどうつ病になり学校現場から離れたりもします。
こういったことからも、問題教員は増えるでしょう。
労働環境を変えるのが先

35人学級よりも、教員の労働環境を変えることが先でしょう。
学校で子供が頼ることができるのは先生しかいないので、教員の労働環境を変えれば巡り巡って子どもにも良い影響が出てきます。
正直、「40人学級が35人学級になり、コロナ対策になる」と考える人はほとんどいないでしょう。
むしろコロナ禍で子どもの気持ちも滅入っていますので、教員が心の余裕をもって接することができることが何よりも大切になってきます。
教員の労働環境を変えることで、コロナに限らずいろんな変化に対応できるようになってきます。
まとめ
話題になっている35人学級ですが、正直それほどの効果が見込めるとは思いません。
もう少し、効果のある対策に期待したいところですね。