お子さんを小学校の支援学級に入れるメリット・デメリット【元教員が解説】

支援級 アイキャッチ 保護者

こんにちは。

保護者の中に、お子さんを「小学校の支援学級に入れようか迷っている」方はいませんか?


発達障害を持つお子さんの親にとっては、「特別支援学校にするか、小学校の支援級にするか」というのはかなり悩むところですよね。

今回は、支援学級の担任経験がある私が「メリットとデメリット」について詳しく深掘りしたいと思います。

迷っている保護者の方の参考になればありがたいです。

お子さんを小学校の支援学級に入れるメリット・デメリット

支援級 メリット デメリット

お子さんを支援学級に入れることについては、良い面と悪い面があります。

いくつか特徴を挙げてみたいと思います。

メリット

支援学級に入れるメリットについては、以下の通りです。

・手厚く見てもらえる。
・多くの場合、段階に合った指導が受けられる。
・担任とゆっくり話ができる。
・通常級の子と思い出を共有できる。

順番に解説をしていきたいと思います。

手厚く見てもらえる

たとえば、グレーゾーンの子で「通常級と支援級どっちにしよう?」と迷う場合があると思います。

こういう場合は、支援学級の方が圧倒的に手厚いです。


通常級の場合は、担任が支援してくれることはあまりありません。

自立して動くことを求められます。


また、教育のしかたについても通常級は「叱る」指導をしている先生の方が圧倒的に多いです。

もしお子さんが、自立して行動できない場合は結構叱られることになると思います。

叱られるというのは子どもにとって大きなストレスになるでしょう。


重度の発達障害であれば支援学級の一択だと思います。

しかし、グレーゾーンの場合は慎重に判断する必要があるでしょう。

多くの場合、段階にあった指導を受けられる

支援学級の場合は、個別に指導計画があります。

ですので、しっかりと段階に合った指導を受けられることが多いです。


支援学級では、学習前にどのくらいのレベルまで出来ているかをチェックします。

そして、レベルにあった指導が行われます。

子どもの人数に対して、教員の数も多いです。


通常級であれば、学年の内容をどんどん進めていくだけで仮に遅れたとしてもフォローはあまりないでしょう。(通常級は人数も多いので、一人ひとりフォローする時間がない)

支援学級で段階にあった指導を受けられれば、子どもも自信をもって学習に取り組むことができます。

担任とゆっくり話ができる

支援学級だと担任とゆっくり話をする時間があります。

特に、朝の時間などは多くの保護者の方が担任と話をしていました。

支援学級では、子どもの困ったことや悩みなど割と相談しやすいと思います。


通常級だと、個人面談や授業参観などのイベントくらいでしか保護者は担任と話をしないでしょう。

話をするとしても、支援学級ほど多くの時間は取れません。

担任と保護者のコミュニケーション量は通常級と支援級で全然違いますね。

通常級の子と思い出を共有できる

お子さんが重度の発達障害を持つ場合、「特別支援学校と小学校の支援学級のどちらにするか。」というのは迷うところだと思います。

小学校の支援学級であれば、通常級の友達と思い出を共有できます。


1つのイベントに対して、通常級の子と支援級の子が助け合いながら向き合う姿はすごくステキだと思います。

子ども自身、得るものも大きいでしょう。


「なるべく通常級の子との関わりを増やしておきたい」という方にとっては、特別支援学校ではなく小学校の支援級に入れるのがいいと思います。

デメリット

次に、お子さんを支援学級に入れるデメリットについて書いていきたいと思います。

デメリットは以下の通りです。

・発達障害に関して知識のない先生も多い
・グレーゾーンな子の場合は学習が遅れる
・スピード感が早い
・叱責されることが多くなる

実際に支援級のお子さんを見ていて感じたことです。

知識がない先生が担任の場合もある

公立の支援学級の担任は、知識がない先生が担任をやっている場合があります。

もちろん、多くの先生は日々勉強をされていますので、ある程度知識は持っています。


とはいえ、小学校の支援学級担任には発達障害について専門性がない人もいます。

ひどい場合だと、通常級で問題を起こした先生が支援級担任に回されるケースもあります。(通常級担任は継続できないという理由で・・・)


私が会った支援学級担任の中で、専門性がある方は1〜2割程度でした。(免許を持っているか、特別支援学校から異動してきたなど。)

専門性がある方が担任ならいいのですが、あまり発達障害に詳しくない人が担任になるリスクもあります。

グレーゾーンな子の場合は学習が遅れる

障害を持っているお子さんの中には軽度の場合もあるでしょう。

頑張れば、通常級でもやっていける場合です。


こういう子が支援級に入った場合は、学習が遅れてしまう場合があります。

支援級では、重度の発達障害を持つ子どもに合わせて授業をすることが多いからです。

指導内容についても、該当学年の科目をすぐに教えないこともあります。


とはいえ、グレーゾーンの子も無理して通常級にいたらツライ思いをするでしょう。

ずっと、クラスの授業についていけないという状況は避けたいですよね。

この辺りはお子さんの状況を見つつ、どちらにするか判断する必要があります。

スピード感が早い

公立小学校だと、スピード感が早いです。

「朝読書→教室移動→授業→給食準備→昼休み→授業→下校」というように毎日の予定がすごく詰まっています。


公立小学校の支援級に入るとどんな障がいであれ、このスピード感の中で動かなければいけません。

障がいを持つ子は、ちょっとしたことで気持ちが変化してしまうことも多いです。

スピーディーに動くことが難しい時もあるでしょう。


それに対し、特別支援学校だと割とのんびりしたペースで時間が進んでいきます。

大きな違いがあります。

厳しく叱られることが多い

公立小学校は、基本的に「叱る」教育が中心です。

通常級でも支援級でもできなければ叱られることが多いです。(支援級の子であれば、ある程度は配慮してもらえますが。)


授業の時間も遅刻してはいけないですし、交流(支援級の子どもが通常級に混じって授業を受けること)での課題もある程度他の子と同じレベルを求められます。

そして、できなければ強く叱られることもあるでしょう。


発達障害の児童を叱るのはあまり良いこととはされていません。

しかし、支援級の子に対して平気で叱責する先生もいます。


優しく支援してくれる先生もいるのですが、判断が難しいところですね。

特別支援学校か支援級なら「特別支援学校」がオススメ

特別支援 オススメ

ここからはあくまで個人的な意見ですが、「特別支援学校と公立学校の支援級」で迷っているならダントツで「特別支援学校」の方がいいと思います。(どんな障がいなのかで変わってくるとは思いますが。)

理由としては、以下の3つを考えています。

・設備が充実
・時間の流れがゆっくり。
・支援学校ならではの体験もある


設備については、エレベーターがあったりスロープが取り付けられたりしているなどバリアフリーがしっかりしています。

お子さんがストレスなく過ごすのにはとても良い環境と言えるでしょう。


また、先ほども書いたように公立学校のスピードは早いですが特別支援学校はゆっくりです。

お子さんのスピードに合わせてもらえというのがすごくいいように感じました。


また公立校では来てくれないような大手企業の方が指導に来てくれたりして、支援学校ならではの体験をすることもできます。

金銭面やいろんな事情があって、特別支援学校に入学するのが難しい方もいるでしょう。


ですが、私は両方の公立学校と特別支援学校の両方に行きその違いに驚きました・・・。

まとめ

いかがだったでしょうか?

小学校の支援学級に入れるかどうかというのはすごく迷うところですよね。


いろいろ不安なこともあるんじゃないかと思います。

ぜひ、必要に応じて周囲の方とも相談しつつやっていければよいのかと感じます。

それでは、また〜!