学校から支援級に行くように勧められたけれど、普通級に行ったという保護者の方は多いと思います。
支援級に行くのは勇気のいることなので、なかなか踏み込めない部分でもあるでしょう。
- 普通級に行ったけれど、はたして正解なのだろうか。
- 支援級と普通級にいくのはどっちがいいの?
そんな風に悩む人に向けて、元支援級担任の立場から記事を書いていきたいと思います。
3分程度で簡単に読むことができますので、見てみてください。
支援級を勧められたけど普通級に行った人へ

支援級を勧められても、普通級へ行くという判断は正解だと思っています。
もちろん障がいの程度もありますから、本来は支援級に行くべき子を普通級に行かせるのは良くないでしょう。
しかし迷っているということは、お子さんが普通級でもやっていけるのではないか。という自信があるということです。
親が一番そばで見ているわけですから、その勘は当たっている可能性が高いです。
まずは、普通級からスタートするのがおすすめです。
支援級にはいつでも行ける
基本的には、支援級にはいつでも行けると考えていいです。
先生と話し合ったり、ある程度やらなければいけないことはありますが、比較的簡単に入ることができるのが支援級です。
私が支援級の担任をしていたときも、「5年生・6年生」といった高学年の子がゾロゾロと入ってきました。
高学年まで普通級にいたのなら、いきなり支援級に行くのは難しいと考えますよね。
しかし、実際は学年を問わず支援級に入れてしまったりするのです。
反対に、支援級をやめて普通級に行きたいというお子さんも見ています。
しかし、今まで支援級にいた人が普通級に行くのはかなりハードルが高いので先生方もなかなかOKしてくれません。
保護者が管理職に頼み込んで、なんとかお願いしている場面も見ています。
交流授業ができる
最初から支援級に入ってしまうと、「交流授業」を一緒に受けることが難しかったりします。
普通級でみんなと一緒に授業を受ける機会が大きく減ってしまい、「朝の会・帰りの会」などの短い時間しか普通級で過ごせなくなります。
でも支援級か普通級か迷うレベルのお子さんなら、普通級のお子さんとも一緒に授業を受けたいと考えますよね?
最初に普通級に入れておくと、学力に合わせて普通級で過ごすこともできます。
たとえば、「国語・算数・理科・社会」の授業が普通級では無理だったけど、「音楽・体育」の授業は問題なく過ごせていたとしましょう。
この場合、「国語・算数・理科・社会」は支援級で、「音楽・体育」は普通級でという形で交流授業をすることができるのです。
最初に普通級で過ごさせることで、臨機応変に子供にあった指導が受けやすくなります。
普通級に入れた後に見ておくポイント

普通級で続けるためには、お子さんを注意深く観察する必要があります。
もし普通級に合っていないようであれば、すぐに支援級に移る必要があるからです。
お子さんにストレスを与えないためにも、スピーディーな対応が求められます。
嫌な思いをしていないか
まずは、お子さんが嫌な思いをしていないかをよく観察するようにしましょう。
普通級は友達との関わりも増えますし、賑やかであることが多いです。
感覚過敏のお子さんなどにとっては、かなりキツい環境であることが考えられます。
しっかりと親がコミュニケーションを取りながら、普通級で嫌な思いをしていないかを確認するようにしましょう。
不登校になってしまったり、精神的に不安定になるお子さんの中には「親子のコミュニケーション」が取れていない人が多くいます。
親が話を聞いてくれるだけで、子どもは安心します。
普通級で過ごすのは、ある意味トライなのでしっかりと寄り添うようにしましょう。
友達との関係はできているか
友達との関係がしっかりとできているかについても、確認しましょう。
友達との関係は、コミュニケーションが取ることだけに限りません。
普通級のクラスの子が、その子の障がいを理解していて合わせてくれているということです。
例えば、自閉症のお子さんの中には自分のペースで過ごしたくて周囲とコミュニケーションを取るのが難しいケースもあるでしょう。
でも周りの子が温かく見守ってくれたり、必要なものを貸してあげたりするなどの雰囲気があるとすごく良いです。
反対に、友達からいじめられたり嫌がらせを受けているような場合は早めに対応していく必要があります。
学力的にも問題ないか
学力的に大きな問題がないかについても、確認していくようにしましょう。
学校で過ごすほとんどの時間は「授業」ですので、学力レベルが合っていないとお子さんは大きなストレスを抱える可能性があります。
普通級で取り組んだノートやテストなども、親がしっかりとチェックして把握しておくようにしましょう。
完全に普通級のお子さんと同じ学力にするのは難しいかもしれませんが、家で親子で復習する時間は取っておいた方が良いでしょう。
本人の意思はあるか
本人が普通級に行きたいというのならば、少し無理してでも普通級に行かせる価値はあるでしょう。
自分のやる気や気持ちがあれば、お子さんは想像以上に頑張ることができるからです。
しかし、お子さんは支援級に行きたいのに親が認められずに普通級に通わせているケースがあります。
普通級に通わせたい親の気持ちもわかりますが、親の意思だと子供は自信をもつことができません。成長していくことも難しいでしょう。
普通級に通う時は、本人が通いたいと思っているかをしっかりと確認しましょう。
ギリギリまで支援級には行かない

普通級に入った後は、ギリギリまで支援級に行かないのがベストです。
というのも、普通級で合わないからといって支援級を勧めてくる学校は良い学校ではないからです。
支援級は本来、障がいを持っていて普通級で過ごすことが難しい子が通うところです。
ただ学力が追いつかず、普通級で過ごせないようなお子さんは手の空いている先生が1対1で指導をしたり、別教室で指導をするケースがあります。
親切な学校はそうします。中には「教頭・教務」が付きっきりで指導してくれるケースもあります。
やはり、支援級にお子さんを入れるのはかなり勇気がいると思います。
学校の体制に問題があるかもしれないので、余裕があるならば転校させて様子を見るのもありでしょう。
まとめ
支援級を勧められたとしても、すぐには行かないのが正解だと私は考えます。
ぜひ今回の記事を判断材料としてもらえますと幸いです。